シロアリ駆除・住まいの害虫防除 阪神ターマイトラボ (兵庫県西宮市)
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薬剤曝露リスクの問題
新築時のシロアリ対策には種々の問題点があります。
シロアリ防除薬剤に使用される有効成分は、農薬や防疫用薬剤などに使用されている殺虫剤の有効成分と同じものが用いられています。
農薬では農薬取締法により使用する濃度や処理量、処理方法等について、安全性に関する評価方法等が決められおり医薬品よりも厳しい基準が設けられています。
防疫用薬剤についても農薬などの殺虫剤の有効成分と同じものが用いられていますが、薬事法によって用法・用量など厳しく決められた上で、承認、許可を得た医薬品及び医薬部外品となっています。
シロアリ防除薬剤は化学物質審査規正法で審査される化学物質に留まり、厳密に取り締まる法律はありません。
業界団体である公益社団法人日本しろあり対策協会や公益社団法人日本木材保存協会による自主規制しかないのが現状です。
シロアリ防除薬剤の単位面積当りの有効成分投下量は、有機塩素系薬剤や有機リン系薬剤の時代から大幅に少なくなったとはいえ、同じ有効成分を有する農薬と比べると数百倍の量が撒かれています。
近年、安全性の高いシロアリ防除薬剤が使用される傾向にありますが、沢山撒いてしまえば安全なものであっても暴露するリスクは向上します。
これは天然物系薬剤も同様であり、少量使用では安全性に問題なくても、大量に使用すれば暴露するリスクは確実に向上するのです。
また建築コストを削減するため近年の安全性の高い薬剤よりも、安全性でやや劣る安価な薬剤が使用されているのも事実です。
注文設計ではどのようなシロアリ対策を立てるか等打ち合わせしながら進められますが、建売住宅ではどのような薬剤が使われ、どのような処理が行われたか不明です。
酷い物件になるとシロアリ防除に対する保証書はあるものの、どのような薬剤を使用したのか記録すらない事例もあります。

建物の構造とシロアリ
シロアリ対策で重要なのは薬剤処理を行ったり、乾燥対策などの関連資材で対応することではありません。
その地域に生息するシロアリの種類に応じた、個々の対策が重要です。
シロアリ対策で重要なのは侵入したシロアリを点検できることであり、その対応をするためには建物の構造が重要な要素となります。
『ベタ基礎だからシロアリに侵入されない』、『基礎パッキン換気構造で乾燥しているから』、『土台にヒバやヒノキなどの耐犠牲木材を使用しているから』、『加圧注入木材や薬剤浸漬処理した木材を使っているから』などはシロアリの生態や行動を理解していないシロアリ対策です。 加圧注入土台の被害
右の写真は加圧注入土台の蟻道跡です。
表面を少し齧っただけで、被害は床板から床上の木部に広がっています。
加圧注入土台は食害を受けないことで、土台としての役割を果たします。
シロアリを駆除する能力がありませんので、侵入を阻止する効果は期待できません。
建物の構造で注意が必要なのは、シロアリ技術者と設計者、建築者が協力して構造を工夫したかということです。

ヤマトシロアリの対策
たとえ新築時に薬剤処理を行っても、薬剤は永遠に効果がある訳ではありません。
保証が切れて何年後かに再処理を行うとしても、建物には必ず薬剤処理の出来ない場所や見えない場所が存在します。
薬剤の処理された場所にシロアリが触れるとシロアリは死にますが、薬剤の種類によっては処理された場所がシロアリに知られてシロアリが触れない場合(避ける)があります。
この場合、シロアリは薬剤の処理されていない場所から侵入します。
処理された場所がシロアリにわからない薬剤を使用したとしても、死んでいくシロアリを見てシロアリは処理された場所が危険であることを察知します。
上記の加圧注入土台の事例も同様で、シロアリが毒であるということがわかれば食べない、触れないということをするのです。
ホウ酸処理された木材をシロアリが食べない事例も、このケースに該当します。 物理バリアの一例
ホウ酸処理された木材のメリットは、処理木材が食害を受けないことです。
そのため建物の荷重を支える構造材に処理することは有効ですが、シロアリのコロニーを駆除してくれる訳ではありませんので注意が必要です。
ヤマトシロアリの対策では、建物の構造が最も重要です。
点検調査し易い構造、シロアリの侵入に対して対処できる構造など、シロアリ技術者と設計者、建築者が協力して構造を考えるのが大切です。
建物の構造によっては、物理バリアを採用します(右の写真がその一例)。
但し、この手段だけでシロアリの侵入を阻止するのは困難で、建物の構造とシロアリ技術者の判断が重要となります。

イエシロアリの対策
イエシロアリ対策で重要なのは、ヤマトシロアリと同様に点検し易い構造であること、シロアリの侵入に対して対処できる構造であることなど、シロアリ技術者と設計者、建築者が協力して構造を考えるのが大切です。
同時に、周辺環境も重要な要素となります。
近隣にイエシロアリの巣がある場合、予防処理を施しても侵入される場合が多く見られます。
そのため、近隣のイエシロアリの駆除が最も重要な予防対策の一つと言えます。
建てる前の更地の状態での調査も重要で、建築後のシロアリの動きを捉えることも重要です。
いずれも、シロアリ技術者の判断が重要な要素となります。

乾材(カンザイ)シロアリの対策
アメリカカンザイシロアリなどの乾材シロアリは、生息場所を特定することが極めて困難です。
乾材シロアリの生息する木質材料(建築材料や家具等)が家屋に持ち込まれ繁殖するケースもあれば、外部から羽アリが侵入して木材内部に侵入し繁殖するケースもあります。
そのため乾材シロアリでは侵入を阻止することは限りなく困難なことと、ある程度の被害は覚悟する必要があります。
乾材シロアリの場合、早期発見、早期対処することが重要です。
新築時にできる対策としては、建物全てが点検できる構造にすることが必須です。
侵入することを前提において、可能な限り木部を露出する、或いは露出できる構造にすることで対処することが重要です。
乾材シロアリの生息が確認された場合、微量とはいえ薬剤による駆除が必要ですので、薬剤使用のご理解を頂く必要があります。
乾材シロアリの駆除は短期間では終わりませんが、知識のあるシロアリ技術者が対処すれば、経年毎に生息数を減らすことが可能です。
乾材シロアリ対策として、ホウ酸及びホウ酸製剤を処理する場合があります。
このような場合、人が直接触れることがない場所での使用は安全性のリスク観点から使える可能性はありますが、人が触れる場所では使用すべきではないと考えます。
ホウ酸は特定標的臓器/全身毒性の評価で、人に重大な毒性を示した物質、又は実験動物での試験の証拠に基づいて単回暴露及び反復暴露によって重大な毒性を示す可能性があると考えられる物質(区分1)に該当します。
うがい薬や眼の洗浄に使われているから、安全性が高いという訳ではないので注意が必要です。


薬剤を使わない新築対策は、どの建物も同じ手法で対処する訳ではありません。
お施主さまのご要望をお聞きし、設計者、建築者と協力しながらより具体的な対策を立てます。
薬剤を使わない新築対策につきましては、初回相談は無料です。
本格的な設計段階からのコンサルティング以降が、有料となります。
お問合せはこちらからお願いいたします。
薬剤を使わない新築対策は弊社の近隣地域(概ね10km以内)とさせていただきますが、場合によってはご相談に応じます。


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当社のシロアリ対策は、徹底的な調査を行うことでシロアリの侵入ルートや生息範囲を捉え、最適なシロアリ防除薬剤の種類や濃度、処理方法を工夫してシロアリ駆除を行います。
シロアリが発生してお困りの方、シロアリに対して不安をお持ちの方に対して、シロアリを駆除することで安心をお届けします。
当社のシロアリ対策は、シロアリ防除薬剤の大量散布に頼らず、シロアリの生態に合わせて最小限の薬剤量で駆除し、侵入防止対策を物理的な方法を含めて提案します。
安全なシロアリ防除薬剤を使用するから安全ではなく、安全なシロアリ防除薬剤を必要最小限量使用することにより、シロアリ防除薬剤の暴露リスクを下げることで安全なシロアリ対策をお届けします。

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