上記の写真は、近年増加傾向にあるアフリカヒラタキクイムシ被害の様子です。
壁に小径の穴があき、大量の木粉が堆積するのがアフリカヒラタキクイムシの特徴です。
壁に確認される穴は、アフリカヒラタキクイムシ成虫の脱出孔です。
木粉は成虫が脱出する際、内部に堆積した木粉を排出します。
成虫は木材から脱出後、雌雄が交尾し産卵します。
木材中では卵が孵化し、幼虫が坑道を掘りながら木材内部を食害します。
木粉は木材を食害した幼虫の糞(フラス)で、餌となるでんぷん質がなくなった木粉です。
アフリカヒラタキクイムシでは、この木粉が大量に堆積することで被害に気付きます。
ネットの情報では成虫脱出孔から、殺虫スプレーを注入すると駆除可能の記載があります。
残念ながら殺虫成分が坑道内のフラスにより届かず、駆除できないことが多いのです。
安易に被害部を撤去し、交換することもリスクが高いためお薦めできません。
現時点で虫孔のない場所で、幼虫が活動中しているケースが多いのです。
表面に見えている箇所だけで、被害の大小を判断することも危険です。
壁内も同じように、木粉が堆積していると考えたほうが良いのです。
被害は壁内の見えない場所で、広がっている可能性もあります。
壁内の胴縁や下地、天井の野縁などどこで合板を使っているかわからないためです。
ヒラタキクイムシ対策を実施する場合、事前の調査結果から具体的な対策を提案します。
ヒラタキクイムシ駆除や対策のご相談やお問い合わせは こちら からお願いします。
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上記の写真は、広島県内の現場で撮影したアメリカカンザイシロアリ羽アリです。
アメリカカンザイシロアリは外来種のため、単独の家屋での生息は稀です。
国内での生息から時間が経過しているため、地域で生息するケースが多くなっています。
近隣で発生した羽アリが家屋内に侵入し、木材を穿孔して雌雄が営巣します。
イエシロアリやヤマトシロアリに比べ、羽アリが生殖虫となる率が高いのです。
家屋内で繁殖し始めると、やがて室内でも羽アリの発生を見るようになります。
ちなみにこの物件では、他のシロアリ防除業者が薬剤処理を行っています。
しかし、写真のとおりアメリカカンザイシロアリの羽アリが大量発生しました。
アメリカカンザイシロアリ駆除を行う場合、その生態を理解することから始まります。
アメリカカンザイシロアリの生態を考慮しながら、生息調査を行い活動範囲を特定します。
その上で薬剤注入処理を実施しコロニーの駆除を行いますが、注意点が多くあります。
アメリカカンザイシロアリのコロニーは単独ではなく、複数あると考える必要があります。
過去の事例では、1つの家屋で100を超えるコロニーが確認されています。
見える場所だけに駆除処理を行うのではなく、小屋裏や天井裏、壁内にも考慮が必要です。
そのため構造的な対策も必須であり、ハウスビルダーさんに協力いただくこともあります。
いずれにしてもアメリカカンザイシロアリ駆除では、知識と経験が必要です。
アメリカカンザイシロアリ駆除には、シロアリ技術者の正しい判断が必須です。
アメリカカンザイシロアリ対策は、長期的に駆除と点検調査を組み合わせる必要があります。
アメリカカンザイシロアリ駆除、対策相談やお問い合わせは こちら からお願いします。
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上記の写真は、ベタ基礎構造の家屋で確認されたヤマトシロアリが形成した蟻道です。
当月、一般社団法人住宅医協会さんからの依頼で、セミナー講師を行う予定です。
シロアリ対策として、ベタ基礎構造すれば問題ないとお考えの方が多いようです。
ベタ基礎構造はシロアリが侵入し難い構造ですが、侵入できない構造ではありません。
シロアリは僅かな隙間から侵入することができますが、ベタ基礎でもその隙間があります。
コンクリート同士の接合部では、密着しているように見えても隙間がある場合があるのです。
今回のセミナーでは、こうした現場での実例を紹介したいと思います。
また、このような事例についてどのように対応すべきかもご紹介する予定です。
そのためには、シロアリの生態をよく知っておく必要があります。
シロアリ駆除の基本は、生態に配慮して処理することです。
シロアリの動きは建物構造によって異なりますので、シロアリ調査が重要となります。
シロアリ調査により、侵入経路と生息範囲を精査します。
その結果を元に、使用する薬剤の種類や濃度、処理量を決定します。
シロアリ調査では、生態を知っておかないと精査することができません。
精査できない場合は、薬剤の大量散布に頼らざるを得ないのです。
大量散布はマニュアル化されていますが、これは駆除マニュアルではありません。
シロアリ駆除は、技術者の経験と判断によって行われるものなのです。
当社ではシロアリ駆除、対策以外にもセミナー講師も実施しています。
詳細やお問い合わせは こちら からお願いします。
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